くるま屋日本橋 〜人力車発祥の地〜

前史

西欧での人力車

人力車は一般には日本独自の発明と考えられていますが、17、8世紀のフランスにはビネグレットという二輪車があり、貴族階級の自家用としてだけでなく、乗合馬車などとともに庶民の交通機関のひとつとして用いられていました。 ビネグレットはイギリスにも渡りセダン・カートと呼ばれていましたが、イギリスでは俥夫ではなく馬に曳かせて、俥夫は横について走っていました。

日本での人力車

人力車が発明される前で車と言えば、平安時代からの牛車等が上げられます。しかしそれらは自家用を目的とした特殊な例であり、一般に普及するには至りませんでした。

営業用の人力車の始めは、日本人特有の坐型をとって数人の乗合客を乗せる「乗合人力車」からです。最初は素朴だった装備もやがて整い、屋根をつけた日除け車や六人乗りも生まれました。

しかしそれらは乗合を基本にしているので乗り心地が悪く、俥夫ものちの人力車より多く必要となる事などから政府に重税を課せられ、明治20年代にはその姿を消してしまいました。